時間工賃て何よ?
というわけで時間工賃て何かについて。
バイク屋とか車屋さん行くとたまに耳することあると思うんですが、はっきり言ってよく分かりませんよね?私も時間工賃という言葉を聞いたのは随分前でしてまだバイクの整備を全然知らない頃、家の近くのYSPのお店にヤマハのDX250という化石みたいなバイクの修理をお願いした時に聞きました。その時で時間工賃は6000円。点火不良の整備をお願いしたんですが時間工賃が6000円だから原因を探して見つけて修理するまで何時間かかるかわかりませんがいいですか?原因追及に10時間使ったら60000円です。そこから整備したらさらにかかります。と説明を受けたのです…学生の私に現実は厳しかった…
まぁ話しを戻して…時間工賃とは厳密に言うとメーカー指定の分解組立時間とかディーラー指定の分解組立時間とかマニュアルに沿ってきめられてはいるんです。ただ個人店の場合、しかも古いオートバイを整備することが多いお店の場合は若干違くなってしまうんです。DX250の話しもまさにその典型なんですよ。本来はブレーキパッドの交換をしたら通常は30分くらいで終わるので3000円の工賃を頂きます。という感じですよね。単純な話しはね!
ただ旧車を扱うことが多い個人店にとってこの時間工賃という考え方は結構重要になります。どれくらいの手間がかかるのか、どれくらい重要な整備かによって掛かる時間が変わるのでこの時間に対して工賃を掛け算しているんです。だから車種や車体の状態によって工賃が変わってしまうんです。ただ作業して掛かった時間全てに対して掛け算しているわけではないので永遠に工賃が上がるわけではございません笑ご安心下さい笑
例えば50年間全く動かしてないキャブレターのOHと定期的にメンテナンスして乗っている動かしているバイクのキャブレターのOHでは掛かる時間と手間が天と地ほど違いますし、難易度も変わります。純正部品は出るのか、社外品で対応するのか。そもそも本当にOHで使えるのか?と疑問に思いながら部品を調べつつ触るわけですから精神的にも良くありません。古いキャブレターの場合オーバーフローなんて当然の如く起こるので何度も何度もバラしますし笑
もしあなたが整備する側だった場合に同じ料金で作業を受けますか?5000円とかでやって欲しいと言われて50年前の全く動かしてないキャブレターのOH受けれますか?ネジは舐めて回らずに揉んで回して…パッキン剥がすのに1週間掛かってスローもメインも全てが完全固着しているものを…しかも純正廃盤で安い社外品しかないものを組む。治るかわからずにやってダメだったら技術不足と言われるわけですからね…そう考えるともし受けると決断したなら作業時間は絶対に変わりますよね?そのため時間工賃という考え方がありこの考え方を使用して工賃計算を致します。一見不透明で曖昧なものなんですが結果的には合理的なんですよね。よくニンジャのマフラー交換は別料金というじゃないですか!あれ死ぬほど大変なんで他車種と同じ工賃じゃ厳しいんです…
今回は時間工賃がどういったものか少しでもご理解頂けたらと思い書きました。大手のバイク屋が古いオートバイを修理しなくなったのはバイク屋の技術うんぬんもあるかもしれませんが作業工賃の話しになり整備を依頼する側にも誤解が生じてるんじゃないかと思います。作業を受ける側とお願いする側の双方の理解があって初めて整備は成立するんです。私の場合はバイク屋というよりバイク乗りなんでどうしたら維持出来るか、どうしたら長く乗れるかを考えてお話しすることが多いです。作業をお受けする場合はお時間を頂くことがあると思いますし、工賃が上がることもあるかと思います。なるべくなら、せっかく頼りにしてもらえたなら早くそして安くやりたい気持ちはあるんです…ただ納期に時間が掛かったり工賃が上がるのはそれだけの内容で進める必要があることをご理解して頂ければと思いますm(_ _)m